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最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)825号 決定 1952年6月05日

本籍

朝鮮慶尚南道宜寧郡宜寧面上里番地不詳

住居

福島県岩瀬郡白方村守屋字身向一八〇番地

土工

松村金太郎こと

金相元

明治三九年四月三〇日生

右の者に対する酒税法違反被告事件について昭和二六年一月三一日仙台高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人桑名邦男の上告趣意は、憲法違反を云為する点もあるか、その実質は単なる訴訟法違反の主張を出でないものであり、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお一件記録によれば原審において被告人又は全弁護人の合意による主任弁護人の指定がなされた形跡は存在しないのであるから原審裁判長が刑訴規則二一条により弁護人菊地養之輔を主任弁護人に指定したのは相当である。また、検察官なる用語は検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事等検察の職務を行う官吏の総称であつて、刑訴規則五六条二項にいわゆる官名と解することができる。されば原判決には所論のような訴訟違反もないのである。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判官裁判長 岩松三郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔)

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